日常英会話ができればいいという目標設定は正しいのか?
「英語はしゃべれますか?」という質問に対して「日常会話程度なら」と答える人がいます。
日常会話って何でしょう?
それは日常の会話のこと。
つまりニュースや芸能、スポーツ、政治、経済、その日にあった出来事、昔から気になっていたこと、
何でも話すのが日常会話です。
TPPはどうなった(政治)、サッカーワールドカップの出場国・優勝国は?(スポーツ)、
レディー・ガガが来日した(海外芸能)、来月からゴミの収集日と分別の仕方が変わる(地域・生活)、
消費税がまた上がるって!(経済)、子供が小学6年生なんですよ(教育)、iPS細胞って何?(科学)、
マイクロソフトの次期OSはどんなものか?、新しいスマホはどう?(コンピュータ)、
AKB48って全部で何人?(国内芸能)、KARAのメンバーが変わった(K-POP)・・・
これらは全て日常会話で出てくる話題ですね。
我々は日々様々な分野に触れています。
これが話せるってすごいことです。
だから日常英会話ができたらすごいんです。
それ以上の会話力って何でしょう?
日常ではないことを考えて見ましょう。
例えば旅行。たいていの人にとって旅行は非日常です。
「英語で日常会話はできるんですが、海外旅行に行ったときだけは全然通じないんですよ。」
なんて人、いるんでしょうか?
健康な人にとって病気になって入院することは非日常です。
「英語で日常会話が通じなかったことは無いんですが、
入院した途端、誰も私の言葉を理解してくれなくなったんです。」
こんな人、会ったことがありません。
確かに日本語の「おなかがキリキリ痛む。」の「キリキリ」など、
伝えるのが困難な表現はいくつもありますが、
「おなかが痛くなる」という体調不良も日常と言えば日常でしょう?
謙遜の意味で日常会話程度と答える人がいますが、
私は日本人特有の不思議な表現だと思っています。
日本人以外の人に "Do you speak English ? " (英語は話せますか?)と聞いて返ってくるのは
"Yes." (はい。)か "No." (いいえ)か "A little." (少しだけ)か、
または質問が理解できず何も答えられないかです。
"Yes, I speak ordinary conversation in English." あるいは
"Yes, I speak daily life conversation in English." などと、
「日常英会話が話せます。」という内容を答える人はいません。
初心者が目標を語る時、
「日常英会話が出来るだけでいいんです。」と答えているのを聞くと、
大きな勘違いをしていないか少し心配になってしまいます。