Hollywood (ハリウッド) = 「聖林」は誤訳?
アメリカ合衆国という日本語訳に関する記事に続いて誤訳シリーズ第2弾です。
ハリウッドとはご存知の通りアメリカ合衆国のカリフォルニア州ロサンゼルスにある映画産業の中心地。
アメリカ映画のことをハリウッド映画とも呼ぶので日本人にも馴染み深いですね。
このハリウッド、英語で表記すると "Hollywood" です。
お気づきでしょうか?
"holly" は 「神聖な」という意味ではありません。
"holly" は 「ヒイラギ」という木のこと。
「神聖な」を表す英語は "holy" 。
"l" が一つ少ないんです。
"holly" と "holy" の発音の違いに気づかなかったために起きた誤訳という説と、
"l" の数の違いに気づかなかった説があるようです。
パソコンで「ハリウッド」と打って変換すると出てくる「聖林」。
アメリカ人はこれを知った時、どのように思うのでしょうか?
でも、ちょっと気になることがあります。
"holly" は 「ヒイラギ」。
アメリカのヒイラギ(セイヨウヒイラギ)はクリスマスの時に飾りつけする木です。
クリスマスは聖なる日。クリスマス・イブは聖なる夜。
もしかしたら「聖林」と訳した人は、
クリスマスを連想しながらあえてこの訳語を当てはめたのではないでしょうか?
聖林という漢字をあてるのは単なる誤訳であるというのが定説ですが、
先人の想像力が現代人の想像力をはるかに超えていた結果起こった
遊び心満載の訳語なのかもしれませんね。
「いずれ後人は誤訳であると指摘するだろう。しかしあえてこの訳語を使おう。」
なんとかっこいい考え方でしょう。こうであって欲しいという気さえしてきます。
事実、言葉の意味に気づいた今でも私たちは「聖林」という訳語を使っているし、
私個人的にはこのままで構わない、むしろこのままの方がいいという気さえしています。