夏目漱石が I love you.を日本語に訳すと月が綺麗ですね

日本人は英語を日本語に訳して意味を確認します。

 

色々な解釈があって、とてもおもしろいです。

 

 

 

中学で習い始めてから何度も英和辞典を引いて日本語に訳した文章を作り、

 

しっくりいかず悩んだ経験は誰にでもあるのではないでしょうか?

 

 

 

 

しかし最適だと思われる日本語訳を知っている馴染み深い表現なども、

 

文豪の手にかかれば凡人が思いつかないくらいの素晴らしい名訳が生まれます。

 

 

 

例えば現代日本人なら子供から大人まで誰でも意味を知っている "I love you."

 

 

 

かの有名な夏目漱石(1867〜1916)が先生をしていた時、

 

生徒が "I love you." を「我君ヲ愛ス」と訳したのを聞き、

 

「『月が綺麗(きれい)ですね』と言いなさい。それで伝わりますから。」

 

と言ったという有名な話があります。

 

 

 

授業で国語の先生からこの逸話を聞いたことがあるという方もいるのではないでしょうか。

 

テレビの教養バラエティ番組などでも時々取り上げられています。

 

 

 

 

実はこの話、残念ながら本人の記述が残っているわけではないので嘘か本当か分かりません。

 

『月がとっても青いから』と訳したという説もあるそうですが、こちらも本人の記述はありません。

 

 

 

 

他にもあります。

 

二葉亭四迷(1864〜1909)はツルゲーネフの『片恋(ロシア語原題はアーシャ)』を翻訳し、

 

"I love you." にあたる部分を

 

『(あなたのためなら)死んでも可いわ(しんでもいいわ)…』と訳しているそうです。

 

武田鉄矢さん主演のTBS系ドラマ金八先生でもこれを取り上げたセリフがあるそうですね。

 

 

 

 

ロシア文学者・翻訳家の米川正夫(1891〜1965)は同作品の同じ箇所を

 

『あなたのものよ・・・』と訳しているんだとか。

 

 

 

 

このように考えると "I love you." については色々な表現が考えられます。

 

その数は無限ですね。

 

シチュエーションの数ほどありそうです。

 

 

 

 

言葉は辞書に載っている訳語だけが全てではありません。

 

分からない単語が出てきても前後関係から推測できるものも多く、

 

辞書を引いて訳語を当てはめるより自分が推測した言葉で解釈する方が

 

正しい場合も少なくありません。

 

自分自身で最適な訳語を作り自分だけの訳語帳を作るのも面白いかもしれませんね。

 

 

 

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