OK と言って相手をがっかりさせる日本人がたくさんいる
ワーキングホリデーでオーストラリアに住んでいた時、
日本人特有の失礼な英語の表現がたくさんあることに気付きました。
特に気になったのが食べ物の感想。
例えば現地の友人宅でご馳走になり味はどうかと聞かれた時、必ず日本人が使う表現が、
"(It's) OK !"
多くの日本人はご馳走してもらって "OK" と言うのです。
それはおそらく「おいしい!」と言っているつもりなのでしょう。
しかし私は初めてその状況に出くわした時、
相手、つまり料理を振舞ってくれた現地の方の表情が曇ることに気づきました。
あまり嬉しくなさそうなのです。
はるばる日本から来たお客さんのためにお金も時間もかけて一生懸命作った手料理を
一言 "OK" と言われがっかりしている。
気になったので家に帰って英英辞典で OK という単語を調べてみました。
するとなんと、
"satisfactory, but not wonderful" (満足だが驚嘆するほど素晴らしくはない)
と記載されているではありませんか。
オーストラリア人の友人に OK の意味を聞いてみると
"good, but not satisfied" (良いけど満足ではない) だと言う。
日本の辞書には満足を表す言葉であるというような説明が記載されているものが多い。
あの時 "OK" と言った日本人が本当に「そこそこ美味いね」と言いたかったかどうか分かりませんが、
本心は「すごくおいしい!素晴らしい料理をありがとう!」と言いたかったのではないかと思います。
もしかしたら OKという言葉は英語圏の国や地域でも
それぞれ微妙に違った意味合いで使われる言葉なのかもしれません。
それから私は現地の人が食べ物の感想についてどう表現をするか注意して聞いていました。
もちろん人により様々ですが、すごくおいしい場合は
"Beautiful !" を使う人が圧倒的に多かったですね。
"beautiful" という言葉は日本人は美しいものに対してのみ使う人が多いと思いますが、
この言葉の本来の意味は
"giving great pleasure to the mind or senses" (心や感覚に大きな楽しみをあたえること)
"very good" (とても良い)
つまり「素晴らしい!」という意味でどこででも使える言葉です。
食べ物の感想で日本人が "OK" 以外で良く使う、
"Delicious !" "Taste is good." "Good taste !" "Tasty !"
は間違った表現ではないし言いたいことはしっかりと通じるのですが
現地の方が言っているのはほとんど聞いたことがありません。
私がオーストラリアで聞いたネイティブの表現は "Beautiful." 以外では、
"very good" "very nice" (とてもおいしい)
"good" (おいしい)
"Yum,yum" "Yummy" (おいしい ※くだけた表現。子供っぽい甘えた感じ)
"I don't like it." (好きではない)
"Yuk !" (まずい!)
をよく使っていました。
個人の感想は自由に言葉を選んで表現するものですが、
現地の方々の言葉を直接聞くことは貴重な経験になります。