NHKのしごとの基礎英語やおとなの基礎英語だけでペラペラになる?
NHK Eテレで放送されている英語講座はとても面白いですね。
「おとなの基礎英語」や「しごとの基礎英語」という番組は特に好きです。
スキットの内容が良かったり、
出演者が有名タレントだったりして娯楽番組としても充分楽しめます。
2014年までの「おとなの基礎英語」の方はタレントの坂下千里子さんが生徒役で、
スキットは女優の肘井美佳さん主演。
海外を舞台に様々な基礎的表現を学びます。
人気講師の松本茂先生がいいですね!解説が分かりやすいし、良いキャラです。
2015年からは出演者が少し変わりましたが、変わらず楽しめます。
「しごとの基礎英語」の方はタレントの篠山輝信(しのやまあきのぶ)さんが生徒役で、
ビジネスの現場を舞台としたスキットにも出演しています。
そのスキットは篠山さんだけ台本が無く、状況に合ったセリフを自分で考え英語で言い、
スタジオで良し悪しを解説するという斬新な内容です。
MCは麻里奈さんでした。アメリカのテキサス州で育ったバイリンガル。
シーズン2からは、こちらもバイリンガルのホラン千秋さんに。
2015年秋からのシーズン3も同じメンバーで始まりました。
篠山さんがかなり上達していて、しごとの基礎英語ファンとしてはかなりうれしいです!
大西先生が面白くもあり厳しくもある。とても良いです。
でも、ちょっと気になることがあります。
それは、生徒役のタレントが長い期間出演し続けているのに
英語がペラペラになっていない、ということ。
生徒役のみなさんが一生懸命に英語に取り組んでいるので好感が持てます。
番組開始当初より英会話力が確実にレベルアップしているので、
努力されているのがよく分かります。
しかし出演者にとっては仕事です。
長期間のレギュラー番組だから、生活の中心になっているはず(と信じています)。
準備も含めてかなりの時間を英語学習に費やすことができるでしょう。
仕事や家事で忙しい人けど何とか時間を見つけてがんばる一般の人とは違うのです。
仕事だから当然まじめに取り組んでいるはず。
片手間でやっているはずなどない。
番組内にはネイティブスピーカーのみならず、詳しく説明してくれる一流の先生もいる。
なのに出演者は半年経っても1年経ってもそれ以上経っても英語がペラペラにならない。
視聴者は現実を思い知らされてしまうのです。
「そうか、出演者がペラペラにならないんじゃあ視聴者がペラペラになれるわけないか・・・」
残念ながらテレビ英語講座を視聴するだけでは英語ペラペラにはなりません。
理由は明確です。英語の絶対量が少なすぎるのです。
英会話できるようになるためには英語を話すトレーニングがたくさん必要です。
頭で理論がわかって、1回だけ言えたからと言って身につくわけではないのです。
英会話のトレーニングは筋トレと同じです。
腕立て伏せを理論的に理解し、やってみたら1回だけ出来たからと言って、
腕立て伏せ100回できるようになったわけではないのです。
英語のワンフレーズを理論的に説明され、それを理解し1回だけ言えたからと言って
英会話がペラペラにできるようになったわけではない。
腕立て伏せを1日1回ずつやったからと言って
1年後に365回続けてできるようになっていないのと同じように
便利な英会話フレーズを1日1つずつ言えたからと言って
1年後に365フレーズ使いこなせるようになっているわけではない。
だから、「NHK英語講座を毎日見ていれば、そのうち英語が流暢に話せるようになるはず」
などとは絶対に思わないでください。
英語のインプット量が圧倒的に足りないのです。
だからといってNHKの英語講座が無駄だというわけではありません。
テレビ英語講座は学習のメインにしない、と考えればいいのです。
教材を使った学習をメインにしてどんどん英語学習を進めながら、
しごとの基礎英語などのNHK英語講座は副教材のような感覚で親しむ。
「しごとの基礎英語」と「おとなの基礎英語」はプラスアルファと捉えましょう。
他の英語講座も同じです。
絶対に、
「いつもテレビで英語講座を見ているけど全然上達しない。自分は英語に向いて無いんだ」
「自分には英語の才能が無いんだ」
「自分は頭が悪いんだ」
などと思わないでください。
NHK英語講座は内容が素晴らしいです。
ただ、英会話はテレビ英語講座を視聴するという受身の学習だけでは習得できません。
英会話は自分で英語を声に出してトレーニングした量に比例して上達するものです。
聞く英語の量と自分の口で話す英語の量を増やすことが
英会話習得の近道だということを忘れないでください。