日本の大学を卒業してオーストラリアに語学留学した日本人
ワーキングホリデービザを取得して、
泊まるところを決めずにオーストラリアに行き、
日本にいるときにNHKラジオ英会話のテキストの広告に載っていた語学学校へ。
学校の受付窓口で4週間のホームステイと授業登録を片言の英語で申し込みしました。
語学学校の受付と片言英語の日本人ということで
話す内容は決まっているので特に困ることもなく通じました。
ホームステイはいつからかと聞かれ「Today!(今日)」と答えて驚かれました。
でもすぐに電話で数軒に連絡してくれて決定。
その後すぐにどのクラスの授業が適切か見極めるための面接。
積極的に英語を話そうとトライしたことが良かったのか、
初級クラスではなく中級クラスに決まりました。
そしてバスに乗りステイ先に向かいました。
ステイ先にはもう一人日本人がいまして、
違う学校の一番レベルの低いクラスに通っていました。
「英語を基礎からやり直すため」という理由なんだそうで。
実家の不動産屋を継ぐ前に海外生活をしておくのだと。
そうすれば自分の人生に箔が付くんだと。
海外生活をしさえすれば人生に箔が付くというのは
私にはまったく理解できない感覚ですが、そこは個人の自由。
そこについてはかまわず学校での授業内容を聞くと、
アルファベットの読み書きからはじめたとのこと。
「日本の大学を卒業したって言っていたけど、そこからやり直すの?」と思ったのですが、
それもかまわずどのような授業内容かと聞いてみると、
通いだして2ヶ月ほど経っている彼が「今日の宿題」と言って一枚のプリントを差し出した。
なんとそこにはニコちゃんマークのような絵が4種類描かれていて、絵の下に括弧が!
何も記入していなかったので何を記入するのか聞いてみたら、
「ここは"smile(笑う)"こっちは"cry(泣く)"・・・」。
残り二つがわからない模様。
「こっちは"angry(怒る)"でもう一つは"surprise(驚く)"じゃない?」と言ってみたが、
記入しようとしない彼が言ったのは、「スペル(綴り)がわからないから後でやる」と。
これが日本の大学を4年で卒業した人が受けている授業。
毎日通い、2ヵ月目にしてこの内容。
そして、次の日の授業の準備のため予習復習をやっている私に対して、
「ま〜じ〜め〜だ〜ねっ!(嘲笑)」といやみ連発。
「俺は楽でいい。中級クラスなんかに進むから苦労するんだ、ざまぁみろ!」と言っていました。
彼の部屋からは当時(1997年)の日本で流行っていた小室ファミリーの音楽が連日大音量で鳴り響き、
「オーストラリアにはダウンタウンがいないからテレビがつまらん!」が口癖だった・・・
彼が通っていたのは英語になじみがない南米出身の人たちに向けて開設されたクラス。
でも実際は英語をまともに勉強しようとしない日本人がほとんどで、
その日本人たちは授業態度がかなり悪く、
授業中は黙っているか日本人同士で日本語で会話して
完全に授業を無視しているケースが多いとの評判。
中級、上級となるにつれ日本人の割合が減っていくが、
初級クラスとは違い授業態度が良い人が多いと言われていた。
これが実態です。
学校側はビジネスだから日本人が真面目に英語を勉強しなくても
授業料が入るから問題ない。
他のアジアの国やヨーロッパから来た生徒がどんどん上達していくので
学校の評判は落ちないようです。
語学留学で語学は身につかないといわれる理由は、こういう現実を見ても納得です。